米子市は、島根原子力発電所から30km圏に位置します(※)。
島根原発が稼働するかどうかは、わたしたち自身のいのちや地域の暮らしだけでなく、
こどもたちの未来に大きな影響をおよぼします。
その判断は、議会や首長のみの議論で決めるのではなく、市民の意思が反映されることが、大切ではないでしょうか?
わたしたち市民が対話を通して、原発に賛成・反対の立場を超えて、一人ひとりが考え話し合い、責任をもって未来を選択し、その意思を示すための「住民投票」を実現するために、この会を発足しました。
共同代表
河合 康明、河本 六美、小徳 省三、松本 薫 安田 壽朗
※島根原発から30km圏の米子市は、原子力災害の際の避難計画の策定が義務づけられています。
◎会のリーフレット(A4サイズ、PDFデータ) ・・・ダウンロードしてお使いください!
*記載の連絡先情報は、古い情報です。最新の連絡先については、当サイトの最下部をご確認ください。
令和3年9月15日、原子力規制委員会による島根原発2号機の設置変更許可に関する審査が終了し、中国電力(株)による再稼働への動きが加速されつつあります。今後、安全協定に基づき、UPZ圏内に位置する周辺自治体として、米子市は「稼働の是非について」意見を述べることになります。
島根原発稼働の影響は、電力供給・エネルギー問題にとどまらず、地域経済、環境問題、食や健康問題など多岐にわたります。そして、2号機が再稼働されるとその運転期間は30年弱、さらに3号機が新規稼働になれば60年程度続く可能性があります。廃炉過程を含めると、その影響は100年近くにも及びます。このような広範囲かつ長期間にわたる影響について議論を深めることは、米子市にとって最重要課題であるといえます。
伊木市長は、私たちが行ったアンケートに答えて、原発再稼働に関する市の意思決定に際しては、「安全対策協議会などで住民の意見を聞いたうえで、議会と相談する」と述べました。私たち「島根原発稼働の是非を問う住民投票を実現する会・米子」は、地域の最重要課題に対する住民の意思を確認することが必要であり、その手段としては公聴会やパブリックコメントなど一部市民の意見を聞くのでは不十分であり、市民の総意を知るための住民投票が不可欠であると考えます。
私たちの会は、2年前に準備会を立ち上げ、これまで講演会や住民カフェを催し、多くの米子市民から様々な意見を聞いてきました。その中で、明確な賛成・反対意見を述べる方々がいる一方、「賛否を決めかねている」、「あまり考えたことがない」と話す方も多数いることを知り、「市民の間での議論を深めることなしに、米子市の意思決定を行うこと」に大きな疑問を感じています。
島根原発が稼働するかしないかは、今後生まれてくる子どもたちに大きな影響を与えます。そして、その子どもたちには「稼働の是非について選択する」という権利行使の機会は、ありません。この課題に真摯に向き合うことは、今を生きる私たちの責任ではないでしょうか。住民一人一人が、自分ごととして考え、賛成・反対の立場を越えて話し合うことが大切です。そのような熟議の場を生み出すためにも、住民投票が必要であると考えます。
よって私たちは、地方自治の本旨に基づき、間接民主主義を補完する手段として、住民投票の実施を求め、表記条例の制定を請求いたします。
請求者代表 河合康明、河本六美、小徳省三、松本 薫、安田壽朗
署名開始キックオフ宣言
島根原発稼働の是非を問う住民投票を実現する会・米子
共同代表 河合康明
皆さん、こんにちは。
共同代表をいたしております、河合です。
本日は、お集りいただき、ありがとうございます。
いよいよ、署名開始の時期が来ました。
私はここに、1か月間全力で署名集めに尽力することを皆さんにお誓いするとともに、6万筆以上の署名獲得に向けて、皆さんのご協力を心よりお願い申し上げます。
島根原発の稼働は、米子市の「まちづくり」に大きな影響を及ばします。「エネルギー問題は国策だから国に任せておけばよい」という方も居られます。しかし、原発の稼働は、単にエネルギー問題にとどまらず、経済や環境、食や健康、そして私たち住民の命にもかかわる重要な課題です。国策に関わることはその通りですが、同時に地域にとっても「他人任せ」にはできない大きな問題であることを忘れてはなりません。
原発の稼働期間は、原則40年ですが、近年20年の延長が認められるようになってきました。稼働終了後の廃炉期間も含めると100年にも及ぶ長期間、周辺地域に影響を及ぼし続けます。大きな影響を受けるのは、若い世代、そしてこれから生まれてくる子供たちです。
いまを生きる私たちは、未来の子供たちに対して責任があります。「どのような街づくりをして、次世代にバトンタッチするのか」。一人一人が、真剣に考えることが大切ではないでしょうか?
ここで、私たちの活動の目標と理念を再確認させていただきたいと思います。私たちの活動の目標・ゴールは明確です。「島根原発稼働の是非を問う住民投票を実現させ、この問題に関して熟議の場を住民に提供する」ことです。
そして理念、すなわち基本的な考えは3つあります。1つ目は、「中立の姿勢で議論する」ということです。私たちの会は、「原発推進」あるいは「原発反対」という、どちらか一方に偏った立場をとるのではなく、原発に賛成の人も反対の人も、互いに意見を出し合って議論を深めたいと考えています。
2つ目は、「他人任せにしない自治」ということです。米子市は、米子市民自治基本条例を定めていて、「市民一人一人が主体となって街づくりを推進していく」ことを謳っています。そして、その第29条では、「市政の特に重要なことについて、事案ごとに、その都度、条例で定めるところにより、市民投票ができる」と規定しています。原発稼働は、まさに市政の特に重要なことに該当する事案であり、住民投票によって市民の総意を明らかにするべきである言えるのではないでしょうか。
3つ目は、「住民投票は民主主義のバージョンアップに資する」という考え方です。日本は民主主義国家であり、住民が主役というのが基本です。しかし、米子市でも住民の数が多いので、通常は全員が参加するというのは非現実的であり、間接民主主義、すなわち選挙で選んだ市会議員さんたちに政治を託すことになっています。それでも、先ほど申し上げましたように、「特に重要な事案」については、市民投票すなわち直接民主主義が認められているのです。
なぜ住民投票が民主主義のバージョンアップになるのか?私は、2つの効用があると考えています。1つは、住民レベルで熟議が行われることです。住民投票条例が制定されれば、住民の関心が高まります。そして、様々な形で住民に対して情報提供が行われます。そうなると、町のあちこちでこの問題が話題にのぼり、議論が深まっていきます。このことは、「まちづくりに主体的に関わろうとする」住民の意識を高め、米子市のレガシーとなって次世代に引き継がれると思います。
2つ目は、議会の役割を補完するということです。米子市長さんは、島根原発の稼働について意見を求められたら、「市民の意見を聞いたうえで、議会と相談して決める」とアンケートに答えられました。議会と相談することは当然の事と思いますが、その際に、市長さんや議員さん達には、米子市民の総意を十分に把握し、尊重したうえで議論していただきたいと思います。
市長さんや市議さんたちは選挙で選ばれた私たちの代表ですが、とはいっても選挙の際に原発問題が争点になっていたわけではなく、ましてや今年の市長選挙は無投票でした。従いまして、私たち市民は市長さんや議員さんたちが原発に対してどのようなお考えをお持ちなのか分かりません。また逆に、市長さんや議員さん達も、市民がどのように考えているか十分に把握しているとは思えません。であるとすれば、住民投票によって米子市民の総意を明らかにすることは、市長さんや議員さんたちが議論する際に重要な判断材料を提供することになります。すなわち、「住民投票は間接民主主義を補完する」ことになります。
条例制定を直接請求するのに必要な署名数は、有権者の2%、米子市の場合、約2500筆です。しかしこの数は最低必要な数であり、とても十分ではありません。これまで全国数か所の原発で再稼働に向けて住民投票の運動が起こり、いずれも2%の壁を越えましたが、すべて議会で否決され、住民投票に至っておりません。議会の高い壁があるというのが現状です。その高い壁を越えるには、圧倒的な市民の後押しが必要です。住民投票を実現する会・米子では、議会の承認を得るには市民の半数、約6万筆の署名が必要と考えています。6万筆というのはとてつもなく高いハードルですが、私たちはそれを乗り越えなければなりません。
そのためには、より沢山の受任者が必要です。皆さんが署名集めに回られる際、署名集めと同時に、受任者集めにもご尽力いただければ、大変ありがたいと思います。私たちの会は「一家に一人受任者を」というスローガンを掲げ、受任者大募集を続けて参ります。署名期間に入っても受任者になっていただくことが可能です。米子市の有権者であれば、国家公務員、教育公務員、選挙管理委員会関係者など一部の例外を除き、だれでも受任者になれます。受任者は、一人で沢山の署名を集める必要はありません。自分と自分の家族だけでも大丈夫です。ぜひ一人でも多くの受任者獲得に、ご協力をお願いいたします。
最後に、今一度心よりのお願いを繰り返させて下さい。私たちにとってかけがいのないふるさと。その「ふるさとの未来を、住民一人一人が主体的に考え選ぶ」こと、それが住民投票を実施することの意義であり、私たちはその実現に向かって全力で進んでいかなければなりません。皆さんのご理解とご協力、よろしくお願いいたします。
2021年11月20日